日記、あるいは、ある断章の提示

2005 3/15〜3/30



今日は快晴、本屋へ走る。春休みで若者が多い。なんだか学校の図書館に来た気分。「インターコミュニケーション52」巻頭にS・ソンタグへの追悼。ジャック・ランシエールの「不和あるいは了解なき了解」(インクスクリプト)は初めての邦訳。ランシエールは最もラディカルと言われる政治哲学者、美学者。腰巻きには 『コンセンサスを標榜する見せかけの現代民主制ーその欺瞞を説き明かし、ネオ・リベラリズム、グローバリゼーション、市場主義への批判に理論的基盤を与える政治哲学の実践・・・』。この二人の共通点は小津安二郎ファンだった。
学力低下が言われているが、少なくとも民主主義に疑問をもつくらいの子供達を育てなければいけない。不断の懐疑があってようやく存在できるシステムなのだから。(5pm,30/Mar/2005 T.S.)

今日のニュースで、ソフトバンクが総務省に対して起こしていた携帯の帯域に関する裁判を取り下げた。つまり放送免許(フジの)のこともあって今総務省ともめているのは得策でないという判断。したがって、ソフトバンクはフジサンケイを傘下に納める予定であるという事。(30/Mar/2005 T.S.)

桜もまもなくの様子で暖かく、スクーターで風切っても寒くない。谷中のバー、常連の花見は土曜当たりだろうか、花には少し早いですね。
ライブドア問題は小休止。今発売中の「インターネット・マガジン5月号」で『特集 放送・通信融合』。堀江はアイデアがなさそうだったから、これをコピーして提出したらいかがでしょう。ライブドアが事実上ファイナンス会社であるのはしょうがないとして、融合のビジョンは誰かに描いてもらっておけば、もう少し世論を得ることが出来たでしょうね。ここまで楽しませて貰ったが、世間はさらなる大立ち回りを期待していますよね。火事と喧嘩は江戸の花。(11pm,29/Mar/2005 T.S.)

またインドネシアで地震。今回は津波が無く被害は部分的になりそう。日本も他人事ではない。春に山に行くときに出来るだけ荷物を移そうと思う。
ライブドア問題で、国会は注目されない。郵政は与党内でもめているが、どうせいい加減な妥協案になると皆感じているのだろう。ネットで株を買う若者が投機的だとじじいが言っても年金を始めダメシステムを放置してきた彼らに言い分はない。
北尾が繰り返しTVに出ていてあやしい。明らかにフジに有利な手打ちにライブドアを追い込もうとしているように見える。堀江はこれを感じての会談キャンセルなのだろう。昨日、日枝排除を書いたがフジにはそんな人材はいないかも知れないので、やはりヤクザに脅してもらって手打ちをしたいのがフジの総意だろう。日枝は銀行やメーカーに増資したフジ株を買ってもらうようにセールス中で、自分だけは安全にしようと必死だ。結局、昔の株の持ち合いに戻るだけ。
昨日の堀江のかたい表情を見ると、何かやってきそう。彼らはダメもとで生きているから、自爆テロの可能性あり。ライブドア、ニッポン放送を潰すようなテロに出るかも知れない。今となってはニッポン放送をまともに経営していくのが本道なのだが、彼らにその能力は薄く、本来の目的でもない。外資はどう動くだろう。
海外では放送局が入札のところもあるようだ、役人べったりの護送船団TV局を変えようなんて話がまったく出てこないのも不毛な日本を象徴。(8am,29/Mar/2005 T.S.)

堀江・北尾会談がながれて、しかも昨夜、ライブドア・フジが全く同時に交渉中を伝えていて、もしかすると北尾はずしになるかも知れない。あまりにうさん臭い風体をさらしたのはまずかったか。フジ側もさすがに引いただろう。ただ、北尾に引いたのは日枝以外の役員かも知れない。日枝は今日発売の週刊誌2誌で個人の疑惑追及が出てきたため、他役員は日枝排除に動いて解決策を探る可能性もある。
大人の日枝と北尾排除で子供の解決の可能性が出てきて、それはこれまでの日本体質とは違う解決法でいいかも。寝業師だけが得をしてきた日本の文化は変わってもいい。
その北尾は1ヶ月まえから日本TVにもファンド参加を呼びかけていたらしく、フジが助けを頼んでくるのを手ぐすね引いて待っていたようだ。そして、フジの買収や提携だけを考えたのでなく、全てのTV局をファンドに引きずり込むこと。つまり盛り場のヤクザよろしく、全ての店から上前はねて、そのかわり他のヤクザから守ってやる(ホワイトナイト)というシステムを目論んでいたようだ。まさに濡れ手に粟。(28/Mar/2005 T.S.)

TVはほぼフジ有利だと伝えていて、フジTVも有利になったと見てこの話題を取り上げるようになった。明日以降、堀江が北尾と戦うかが分岐点となるが、ライブドアで刑事の弁護士を集めているらしく、民事訴訟でなく刑事告発の可能性あり。当然、亀淵、日枝、大和SMBC、北尾などが対象で、世論を引き寄せることは出来る。日枝、大和SMBC、北尾は捜査が入ると、隠していた別事件が明るみに出る可能性もある。対して北尾はたぶんライブドアの株をすでに買っていて、堀江に株主訴訟をするかもしれない。(11pm,27/Mar/2005 T.S.)

明日、堀江・北尾会談といわれているがライブドア幹部から延期の可能性も。村上もそこに同席するという噂もあったので、実現すれば手打ちの可能性は大。しかし、貸し株に対して裁判をおこす可能性も残っている。長引くことになるし、ニッポン放送をちゃんと経営する手腕も試されることになるが、その選択もある。ただ、当然、北尾がライブドアにTOBかけるなどの戦いになり、見物する身としてはこちらが面白い。
孫、北尾の不和も聞こえているが、北尾は影の存在から頭になりたいという意識が働いている。似たもので若い堀江が注目されるのは面白くない。しかし、北尾は表に出ない方がいいと思う。ヤフーで自分(孫、北尾)に都合の悪いページを検索できないように指示したのも北尾らしいし、汚いことでもなんでもやる。たたいた時の埃が多すぎる。「土足であがりこむ」発言に笑った人も多いはず。
フジTVでは緊急番組でライブドア問題を問う。携帯アンケートをして、ライブドがニッポン放送を面白くする方がやや上回って、MCが「意外な結果」とむっとしていた。(27/Mar/2005 T.S.)

TVに北尾(横綱じゃないよ)がまた出ている。昨日、TVで長々会見したのはあまり得策ではない。自分でも言ったように「ぺらぺらしゃべる」のもそうだし、今日のように恫喝して下品さを顕してしまうのも、ソフトバンクにとってイメージダウンになる。ダイエー球団買収などでようやくダーティーイメージを少し払拭したところだったので、彼は影に徹するべきだった。北尾は乗っ取り屋としては一流かもしれないが、メディア戦略は素人でしょう。また昨夜見た時、金の臭いだけでなく、血の臭いを感じてしまった。今後調べてみようと思う。
タモリらの出演拒否問題の出所がわかった。なんと、新株差し止めの仮処分の時、ニッポン放送側の「企業価値を毀損する」資料として、タモリらの「ライブドアが経営者になったら辞める」というサインがあったのだという。街頭署名であるまいし、簡単にサインしてしまう彼らはクズと呼ばれてもしかたがない。(6pm,25/Mar/2005 T.S.)

堀江は「想定内」とまだ強気を表す。長期戦を覚悟しているのでしょうか。壮絶な自爆もありえてちょっと怖い。フジ社員は「ライブドアよりソフトバンクがましかな」って言ってるけど大丈夫ですか。
ナイナイ岡本が「タモリさんはおかしい」発言。「リスナー重視するなら辞めるのはおかしい」というのはまっとう。タモリ、中島、倉本らは「リスナー」のためでなく「日枝」にこびを売りたいので辞めると言えば筋が通る。少なくとも現場で問題が出てからそれを指摘して辞めるべき。
新キャラ・北尾はいかにも怪しい。サスペンスドラマなら「女のことでもめて、若い男に刺殺される社長(ブランデーグラスを持ちながら)」という役柄をあげたい。(25/Mar/2005 T.S.)

貸し株はソフトバンク・インベストメントへ。その代表取締役・北尾氏は堀江など足下にも及ばない「悪」でありそう。「論談:孫 正義(ソフトバンク(株))社長の暗部をえぐる」。(7pm,24/Mar/2005 T.S.)

ソフトバンク参戦で鳶に油揚げ状態。昨日の堀江はすでに分かっていて低姿勢会見になったのですね。最近ライブドアの株を買っていたのはソフトバンクだったのでしょう。しかしこれで近い将来フジサンケイは完全にソフトバンクのものになるでしょう。不良高校生にからまれてヤクザに助けを求めたのが日枝会長と言われそう。さて堀江は地味にラジオをやるのか、負け戦の整理で資産を精算していくのか。どんな負けっぷりをするかで彼の未来が決まるでしょう。(5pm,24/Mar/2005 T.S.)

高裁のライブドア勝利で流れができて、堀江は一転低姿勢。たぶん参謀が付いたのだろう。フジ・ライブドア担当レベルでの合意を日枝が蹴ったらしく、フジ内で日枝が孤立する可能性も。
また、ニッポン放送がライブドア傘下になったら出演しないという芸能人が声明。中島みゆき、タモリ、江本猛紀、倉本聰、市川森一らだが、彼らは自分たちが太鼓持に徹するべき人種であり、それが仕事であることを忘れている。たまたま私の嫌いな人達でもあった。
ところで敗北に導いたフジ側の中村、久保利弁護士はまだ続投なのだろうか。そのまま残ったら超厚顔ですね。(24/Mar/2005 T.S.)

実家の父が行方不明で新潟に帰った。翌日見つかって事なきを得たが徘徊老人対策が必要になってしまった。親戚は葬式も覚悟した。その後、GPSを使ったシステムを母に話して介護会社に電話したが田舎の介護師はGPSも知らなかった。
ニッポン放送買収のキーである高裁の判断が今夕の筈。担当裁判官が高齢でエキセントリックな人らしいので微妙かも知れない。
フジはまた新型増資を3/21発表。低い株価が設定出きるようにしてあり、前回の新株券にも近く法律的にややきわどい。どうせまた久保利弁護士の提案だろうが、こんな奇策ばかりでなく、早めにまっとな手段でやったほうが世論も引き寄せられる。とにかく金を使わずに乗り切りたいという目算が見える。金を使わずに乗り切れば、日枝は辞任しなくて済むと思っているから。つまり保身。
その日枝に苦言をいったのは13才の女の子。母親について株をやっていて「日枝さんは子供っぽい」とばっさり。年寄りの頭の固さが問題だと話していた。
さて世論誘導にTV各社がこぞってフジ寄りになってきた。ラジオはいいがTV(自分たち)はだめよ、という気持ちでしょう。どんな無能な経営者でも黒字がだせる既得権益メディア構造まではあばいて欲しくない業界人の気持ちは分かりやすい。
あと、堀江がジャーナリズム否定発言を繰り返しているので、筑紫などのジャーナリスト気取りの実質タレント達の反発も出てきた事による。日本にジャーナリストなんていないだろう。皆、自分の立場や収入がのほうが大切な輩ばかり。
堀江をテロリストと呼ぶ場合もあるが、ほぼ正しい。しかしテロがないかぎり、構造的な問題を省みようともしない日本人が多数なのも事実。(23/Mar/2005 T.S.)

LBOまで出てきて株用語百花繚乱。数日、ライブドアの株がまとまって動いているからフジ関係がパックマンディフェンスで買ってるかも。もしかしたらまた楽天かもね。
昨日のポニーキャニオン社長は1本指でキーボード叩いていたし、粗利益を「そりえき」って言ってた。フジグループの社長ってとても使えない。今日、フジを応援しますと声明した系列地方TV局社長達もたぶん同じ。テレビ局は無競争だから誰が社長やっても黒字になるでしょう。だからLBOの対象に打ってつけ。
ここ数年発行部数を落としている週刊誌だが、今回の早い展開の話題で、週刊誌はまったく無意味であることが明快。残るのは「女性自身」タイプのゴシップ誌か。(18/Mar/2005 T.S.)

ライブドアが過半数獲得と報道。新株券、ニッポン放送は地裁では却下され、即抗告した。あくまで裁判を頼りにしているが、3/24は間に合わないだろう。しかも高裁に抗告しながら焦土作戦をするとの発言では裁判に悪い印象をあたえてしまうのでふたつは両立しない。裁判を諦めて少しでも被害を少なくすべきなのに子供が意地になっているような亀淵と日枝。ポニーキャニオンの社長もとても器がちいさそうだった。
「エロサイトの子会社になんかなるか」と言ってたけどアダルトDVDもポニーさんで売っている筈です。夕刊フジにも売春業者広告あるしね。放送は公共のものだと言いながら安上がり娯楽番組しか作れないTVも何をか言わんや。ただ、堀江はオーナーになってもいいけど事業展開や制作は新しいブレインにまかせたほうがいいですね。まあ、フジグループはすべて無くなっても困らない。(16/Mar/2005 T.S.)

村上ファンドは3.44%と判明。3%で臨時株主総会を招集できるから、現ニッポン放送役員が株主総会を延期することも出来ない。また、今頃になってフジが株主への配当を突然高くすると発表。フジはやることの手順がむちゃくちゃ。でも今回はみんなで株式や商法の勉強ができましたし、TVラジオ業界がいかに甘ったれた連中が仕切っていたかもよく分かり、政界とのもたれ合いも垣間見ることもあって収穫大。次はだれかが電通を買収するでしょうね。(6pm,15/Mar/2005 T.S.)


<日記・最新ページへ>
<Takuya Sakurai・トップページへ>
<小白沢ヒュッテ・トップページへ>