日記、あるいは、ある断章の提示
2000-1/27〜2/14




このところの日記を観てぐちや不満が多かったことが反省される。さて、昨今、陰陽師が流行っているらしい。「ダ・ヴィンチ2月号」でも特集があり、なにより岡野玲子によるマンガのブレイクが大きな影響をもっていそうだ。知人にもはまっている人が居て近々京都へいってくるという。晴明の屋敷跡に建っているホテルは若い女性でいつもいっぱいだという。動物占いも流行っているが、あれは昔からあった占いで、十二支十干の60種あるものを12に要約している。たしかに60では一般の人には多すぎて、12に減らして動物というキャラクタにしたところが巧い。今私が使っているiMacだって、コンシューマむけに機能をわかりやすく表現したところが受けている。次は老人向けインターネット(またはそれに類するもの)はどうあるべきかということだと思うのだが。(27/Jan/2000 T.S.)

昨夜は節分だった。夜中にいった飲み屋で升に入った豆をもらったのだが、さすがに歳の数は食べられない。歳のことでもうひとつ。最近、「ご近所さんを探せ!」とううサイトに登録して、住んでいる新宿区などを検索した。やはり20才代が圧倒的におおく、最近インターネット始めましたという女性も多い。私は40才代で登録したのだが、すぐに来たメールが「中高年憩いのスポット」へのお誘い。さすがに愕然としたが、自分が中年であることは別に認めないわけではない。未婚の同年代不良中年でときどき集まって飲み会などしているが、このことを話せばみな落ち込みそうなのでしない。

ただ、登録の自己紹介をみると20才代のそれはじつにステロタイプである。男は女が欲しいだけといった感じだし、女の興味のあるキーワードなどは実に陳腐。試しに10数通のメールを20-30才代の女性に出してみたが、帰ってきたのは3通。インターネット関係の仕事をしている30代の営業メール、神楽坂のサークルを主催している元気印ふう20才代、あと、ほぼお断りふうの1通。たぶんこの手のサイトはお手軽恋愛や不倫のためにしか機能していないのではないかと思われる。したがって40才代の山小屋主人の男などというプロフィールは問題外の存在なわけだ。

都会には山姥ギャル(この言葉はもうふるいらしい)が闊歩し、TVにも出てきている。私も最初はすこし顔をしかめていたが、悪くない気もする。他国には見られない日本のオリジナリティーであることは間違いない。また、彼女らが同年代のお手軽恋愛志向とは違っていて、「こんな格好してたら男なんかよってこない」という彼女らの言葉はほほえましい。カラオケとHしか興味がなかった若者も少し変わってくるのだろうか。(4/Feb/2000 T.S.)

先日ふれた「ご近所さんを探せ!」とううサイトはかなり賑わっている。私はその中の「ザカ会(神楽坂会)」に登録したのだが、20才代を中心に短い期間でネット上のコミュニティへと発展し、近々会員の集まりも催されるという。話は飲み屋や食い物やの話題が中心で、たわいもないものが多いが、実際に住んでいて実感があることが盛り上がっている要因であろう。だいたいは近所に飲み友達が欲しいねといった素朴な欲求がきっかけであるが、中心となっているメンバーの性格の良さ、アットホームな語り口が支えとなっている気もする。また、神楽坂という個性的な街であることも一因である。都心であるのに下町的雰囲気もあり、若くして住み着いた人々が愛着を持っていると言うことだ。こういった現象のなかには都市づくりを生業としている人が参考にしていくヒントがあると思う。ただ、まだ始まって1ヶ月たらずでほぼその地域の参加しそうなメンバーを網羅してしまった感があり、今後は参加人員の拡大がなくなったところで、集団をどうシステムとしてなりたたせるかが課題となってくる。その葛藤を見ていきたい。(7/Feb/2000 T.S.)

京都の小学生殺害事件は容疑者が自殺してしまうという府警の失態が問題にされている。また、容疑者の殺害動機や背景についてマスコミがいろいろと詮索している。神戸の時も同じだった。つまり、殺害された小学生よりも殺害した容疑者のほうが不明な部分もおおいし、ドラマ化するにしても有意義だということ、視聴率をかせぐためには、こちらをふくらませる事がTV局などの常套手段なわけだ。でも教育問題とか、父親がいないとか、ゲームの影響だとか、いつもとおなじ結論には苦笑してしまう。ほとんどルーチンの仕事のようだ。(8/Feb/2000 T.S.)

国会は正常化された。とはいっても国会が本来の役割を果たしているわけではない。小渕氏は解散せずにだらだらと政権を維持し続けるだろうし、国民の不幸もだらだらと続く。でも詐欺に会ったときに、だまされる方も悪いというから、私も含めて国民も悪いのである。あるTV で塾にかよっている小学生に大きくなったら何になりたいの、と問うて「言うのが恥ずかしいんだけれど、政治家です。」といっていた。今や政治家は小学生からも恥ずかしい職業として認識されている。でも、その子はまじめに国を憂いているのだと信じたい。(9/Feb/2000 T.S.)

中田がローマに移籍後の初得点は昨夜(日本時間)のペルージャ戦であった。ペルージャの観客も、いまは敵チームであるはずの中田のゴールを祝福している気配さえ感じられた。ループは美しかったし、トッツイの退場から中田のゴールまでの数分間が今後、中田がローマの中心的存在となることを暗示しているようでもあった。ゴール後の中田の笑顔はすばらしかったし、なによりペルージャの観客の彼にたいする温かさが嬉しかった。義理堅い彼のことだから(ベルマーレの個人スポンサーのことからも感じられるであろう)、もしかしたら20年後、中田はペルージャの監督でもしているのではないかとも思った。(14/Feb/2000 T.S.)

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