日記、あるいは、ある断章の提示

6/6〜10/30



日朝交渉は進展がなかったようだ。家族や訳の分からない議員団などは怒っているのだろうが、北朝鮮の官僚の見解は前後のことから言えばじつにまっとうなもの。官僚として間違いのない仕事をしているにすぎない。一方日本側はだれが主導権をもって交渉にあたっているのかまったく分からない。拉致者の親父のチョー田舎者ぞがしょっちゅうTVに出てきてまるで自分が総理大臣であるような発言を繰り返すし、議員連盟という訳の分からない連中がひっかきまわすし、ほとんどお笑い番組のようだがちゃんとした落ちがないから見ていて皆つまらなくなってきている。
この問題でも福田官房長官はあいかわらず幼稚なひねくれぶりだが、この人ほんとに箸にも棒にもかからないってかんじ。囲碁では「筋の悪い手」というのがあってどうしようにも巧くなりそうもない下品な手を言うのだが、まさにこの人、筋の悪い人っていうのでしょう。
竹中氏が進めたかった銀行の査定の見直しは先延ばしされた。こちらも小泉氏に好きなようにやってねと言われてやっていると後ろから梯子をはずすという小泉スタイルは健在のようで、竹中氏が田中真紀子化するのは時間の問題か。「あんまり本気でやんないでよ。人気とるだけでいいんだから、やるふりだけで実際にやることはないんだから。」というのが小泉氏の気持ちだが、まじめな竹中さんは本気でやってしまっているという事。(30/Oct/2002 T.S.)

小出郷には2誌の地方誌がある。といっても確か隔週か月に2度くらいだった。ただその内容はほぼ同じで地域の催し物情報や趣味のコラムなどが中心だったと思う。政治的にはまったく偏ることが無く、したがって強い主張もない。地方の時代と言われながら地域メディアというものはどこでも育っていないのであろう。その地方誌に東京在住の叔父(高校まで小出にいた筈)がコラムを連載している。最近のものでは「スローライフ」を取り上げていた。しかしこの地域の人には「スローライフ」や「スローフード」などと言ってもなんのことか分からないのが9割以上ではないか。広告代理店にながく勤めた叔父にしてみれば今こそ「スローライフ」と言いたいのはわかるが、それを求めているのは都会の人だけで田舎の人はどうかというと、まず金と仕事が欲しいというのがだいたいのところ。バブルがはじけて久しいが田舎はバブルの恩恵は受けていない。一度でいいからバブルを体験して金まみれになってみたいという田舎の人が多いはず。そのあたりの温度差は大きい。だいいち本当の「スローライフ」は地域興しにはならないし『地域興し』をしなくてはという発想では豊かな田舎の生活は創造できないだろう。
メディアを創ることは思想を創ることなのだろうが、山小屋を引き継ぐときに田舎を見てまずはメディアが欲しいと思った。今ならインターネットTV局だって簡単に作れるし資金はそれほどいらないはず。中央のマスメディアがなんの気概もなんの思想もないていたらくだから地方のメディアの出番だと思う。
何が足りないか、何がしたいかが分かれば数年でちゃんと形になる。私はこれまで色々な仕事でそれを繰り返しているだけ。山小屋は一人プラスアルファで何とかなったが、次は近くに助っ人が欲しいと思うこの頃でもある。でもあまり人の来ない山小屋で閑居しているのは幸せではある。(8pm 28/Oct/2002 T.S.)

ロシアの強行突入はプーチンにしてみれば他に選択肢はないということ。神経ガスが問題になっているが技術的な問題よりも人質がどれだけ死んでも妥協しないのがプーチンであった。テロリストに劇場を爆破させ多数の死者を出させた方がかってチェチェンに強硬な姿勢をとれた筈。神経ガスという中途半端な指示はプーチンにしては甘い選択であって世論も気にし始めたということか。また病院などの情報統制の様子が伝えられればロシアが不自由な国であることも露わになってしまう。今回のテロは世界中にチェチェン問題が未解決であることを知らせたわけだから、それだけでチェチェン勢力は成功と考えているだろう。さらにチェチェンに軍を進めるのがプーチンだがバランスを考えないと自分の力をそぐことになる。
日本の補欠選挙は自民の圧勝。国民は小泉といっしょに沈没を選択したと言うことか。それにしても投票率が低い。SIGHT誌の「信じろ!投票所で自民党は倒せる!」はまったくの不発であったという事実。新潟ではあいかわらず公共投資だぞと当選したジジイがいきまいていた。先日の北朝鮮関係のコメントで書いたように「日本の家族の顔はふぬけで愚かでぼけている」ということの反映でもある。やはり期待できるのは小学生以下の子供達。かれらにまともな教育をすること、自分の頭で考えられるようにすることが必須。日本の大多数とは異なって、ヒュッテに来てくれる愚かでなくぼけていないお客さん達が子息達をまともに育ててくれることを祈る。(28/Oct/2002 T.S.)

ロシアでは劇場を占拠して人質をとっているようだ。チンピラ大統領のお手並み拝見というところだが選択肢はあまりなさそうで難しい局面。そのチンピラ、金正日、田中局長(外務省)にはめられた小泉首相はこのところかたい表情の会見が多い。やっと自分が総理大臣などと言う器でないことに気が付いてきたのかな。
拉致被害者当人5名を返さずに交渉をすすめると今日のニュースで伝えていたが、向こうにいて、拉致を知らない家族にとって見れば、今回帰った親たちを日本が拉致しているように見えるのではないか。そんなこと日本の脳天気な人たちは考えていない。米国同様、自分の国にいるほうが幸せだと勝手に思いこんでいる。ハンバーガーとコカコーラが主食になる国は豊かだろうか。昔、ゴダールの映画で似たようなせりふがあった筈。(25/Oct/2002 T.S.)

拉致被害者の一部が帰国していて、TVはずっとそればかり流している。やっと山が暇になったのでTVも見られるようになったから。今日のNHK7時のニュースでもだらだらと会見の様子を放送している。でもとても不快な感じ。死亡したとされる拉致被害者や帰国できない人もいるのに自分の家族が生きていて帰ってきたということでにやにやしっぱなし。他の人への配慮などみじんも感じられない。
そして、北朝鮮で長い時間を過ごして一時帰国した当人と日本の家族の顔を比べると日本の家族の顔はふぬけで愚かでぼけている。つらいであろう日々を乗り越えた拉致者は日本にいる人よりまともな顔をしている。これが現在のおおむね日本人の顔なのだ。自己中心で知性もなく自分さえ幸せならいいという風に私には見える。
たしかに金正日体制が変わるべきであることは間違いないが、北朝鮮の国民が日本人にくらべて不幸だと簡単に言えないことが前述の事実から分かるだろう。物質的な豊かさは日本が圧倒的であるが、ほとんどの人は他の一部の人たちが作り上げた豊かさを甘受しているにすぎないし自分が無能であることも認めようとしない。そのジコチュウでぼけた国民が今の日本の政治体制を支えているわけなのだ。
そして私のような偏屈で批判的な意見などを抹殺するメディアは不能(インポテンツ)であって、米国の911以降のメディアの不能さと同様である。(15/Oct/2002 T.S.)

株安が進んでいる。ペイオフも延期。まあこんあものでしょう小泉さんでは無理だということです。一言でいえば仕事の出来ないくせに高慢な連中があつまった内閣であるということ。米国もあいかわらずゴリゴリやってる。イラクをたたいても次のテロは避けられないでしょう。たぶん米国民のなかに反体制テロリストが育つと思う。民主党もぼろぼろのようだが分裂がすっきりしたかたち。次回選挙までに新党作ればいいではないか。『SIGHT』誌がいいです。『信じろ!投票所で自民党は倒せる!』というキャッチも泣かせるが、宮台真司インタビューがなかなか分かりやすく日本の民主主義(らしきもの)を説明している。是非ご一読を。
山は紅葉が進んで人も少なくなって心地よい。今年はいいお客や面白いお客にシフトしている気がする。ヒュッテに下品な連中が来ないのがなにより。(8/Oct/2002 T.S.)

北朝鮮拉致被害者については情報がすべて正しいかどうかは別にして悲惨な状況がわかってきている。でも北朝鮮だからということではなく、国家というものはそういうものだという事は認識すべきである。人道的な配慮が国や官僚からさなれることはまれで、混乱期などに一個人として人道的な配慮をする人はいたかもしれないが、一般に国とは非情な仕組みであることは事実である。その意味で北朝鮮もイラクも当然米国もまったく同じである。気に入らないから、もしくは自国や大統領の支持団体の利益のため他国の首長を武力をもって変えさせるという行為は恥ずかしいという意識をほとんどの米国民はもっていない。
小泉にしても同様。まったく政策の成果のあがっていない内閣の支持率がもちなおすというのはひとえにこのところのパフォーマンスによるもので、それで支持してしまう国民性はあいかわらず情けない。
国という制度がもうとっくに曲がり角に来ているということはこのページを初めてから書いているが、センスを共有する人はまだまだ少ないのかも知れない。もちろん民主主義や資本主義もそうだ。(3/Oct/2002 T.S.)

ほぼ2ヶ月ぶりの日記への復帰です。なにせ夏場はお客が続くのでのんびり書いてられません。
さて世間に色々話題は豊富のようです。突然の日朝会談はいかにも他国(ロシアらしいね)から仕組まれて、ただそれに乗った感じを皆さんお持ちですね。今日、拉致されたなかの亡くなった方の死亡日が遅れて伝えられたけど、それを知った時期について小泉首相も阿部副官房長官もあきらかに嘘をいっているでしょう。なぜってインタビューの時、目が泳いでいるんだもの。笑っちゃいます。
まったく準備不足のまま会談に臨み、その後の対応も右往左往。小泉氏はこの会談やるとすごく成果があると思っていたのかね。ちゃんと日本側のシナリオを作って置いてそれに引き込んで行く感じで進めなければなんの意味もない。内政はぼろぼろだからブッシュに習って外交で点数あげたい小泉氏の思惑なのでしょうけど、いまの外務省と官邸というおんぼろタッグでは力不足です。
それから日銀が銀行株を買って支えてあげるっていう、ほとんど禁じ手みたなこと平気でやるしね。あと、小泉が朝鮮に行く前にNHKが世論調査して小泉支持率が上がりました、っていうのもまるでやらせのようである。NHKもひどいとは思っていたけど完全に自民党の下部組織になってます。でも日朝会談やるぞーって言うだけで支持しちゃう国民が多いんだからおめでたいおバカさんの国になったんですね日本て。この前のメディア規制法っていうのがまさにメディアをコントロールして国民を言いなりにしようという意図なんでしょうけど。
そう言えば、少し前にヒュッテにNHKから問い合わせが来たんだけど、なんと土曜の夕方に電話をかけてきた。宿をやっているところに土曜の夕方ですよ。こっちは料理を止めて対応せざるを得ない。まったく常識がない馬鹿者には明日かけ直せといって切ったけど、その後電話は無し。
長野では田中康夫氏があっけなく再選したけど、なんの準備もなく不信任案可決した議員どものお粗末さはすごいものですね。こんなにノータリンな連中が県会議員なんですから。いやはや恐ろしい国です日本というのは。(19/Sep/2002 T.S.)

長野県の田中知事は辞職と再選挙を選択した。これまで議会にいじめられっぱなしなのだが、田中氏はあまりめげていないように見えるのは実はかれはマゾヒストだから。議会の連中にいじめられればいじめられるほど快感を覚えているはず。そんな事は議会のオヤジたちにはわかるまい。せめて変態の山崎幹事長であればちょっとはその気持も理解できるが、田舎の脂ぎっただけのジジイ議員にはそんなセンスはない。
ドル売りが続いているようだ。ブッシュの無策もそれに輪を掛けていると報じている。エンロンはじめ米経済のインチキさがようやく現れてきたことによるのだが、一気のドル売りもなにか裏がありそうでもある。(17/Jul/2002 T.S.)

長野県では田中知事の不信任案可決でゆれているようだ。議会解散をせずに辞職して再選挙というのが田中氏の考えだと伝えられているが、まあそれが正攻法ではある。策士としてはまだ面白い手法は考えられる。議会も解散するが、辞職後別の候補をたたてそれを応援する。公職につかなければ色々な動きが可能である。長野パルチザンを育てる戦略の方が長い目で見て効果がある。住民の怒りを育て、あほな議員を一人ずつ抹殺して行くわけだ。(15/Jul/2002 T.S.)

先日、アメリカが提案しイスラエルが支持している停戦案はアラファトを排除することが主目的とみられる。最近の紛争の過激化にはシャロンのアラファトに対する私的怨念がある以前書いたが、まさにそれを裏付ける和解案。つまりシャロンの個人的な怨念をはらすというばかげたことのために、こんかいの報復合戦で多くの死者を出したことになる。アラファトを排除(形の上で)してもナンバー2はさらに過激なはずだから全く紛争解決にならないと思うのだが。こんな愚かなシナリオしか書けない米国というのもお笑いだ。
サッカーで活躍した韓国の安貞桓とイタリアのペルージャでもめていたようだが、一転ペルージャのガウチ会長が謝ったにもかかわらず安貞桓は和解を拒否したようだ。金持ちのわがままオヤジを適当にあしらえないようでは、ちょっと青いしこれからが心配。安貞桓は人気サッカー選手であり、ハンサムで嫁さんがミスコリアという絵に描いたようなヒーローではあるが日本で言えば昭和30年代的なステレオタイプの感じ。彼の詳しいことは知らないが、体力と技術それにルックスがあれば良かったスポーツ選手というのは昔の話で、かしこさも必須なのが今なのだが。(2/Jul/2002 T.S.)

ワイン会で女性達が来たが帰り、常連さんが3連泊して未来の小白沢ヒュッテと鷹巣を一緒に語ったが今日帰って、また静かなヒュッテである。飯を要求するバカボン(猫)のミィーという声が唯一の賑わい。まあ、次週末にはのびのびになっていた東京の同居人が来ることになるからヒュッテの酒が消費されることは間違いない。
それにしても人通りが少ない。サッカーの影響はかなりのものなのだと実感。韓国は神懸かり的に勝ち進んでいるが、BSでは疑惑の判定が何カ所もあることが指摘されていた。チケットを始めFIFAがあれだけインチキしているのだから、韓国だっていろいろ手を回しているのだろうし、これまで開催国がよく勝ってきたのもそういう事さ。米国でのオリンピックだってそうだったじゃないか。でも日本の上品さやベッカムを応援してしまうミーハーさも美徳と思ってもいいのではないだろうか。他国を応援するなんて考えられないことらしいよ。サッカーは戦争と同じだなんていう人にしたら、他国を応援するのは当然、非国民どことか死罪に値するのだろうけど、サッカーをただのブームにしてしまった日本は偉い。さすがに憲法9条の国だ。(23/Jun/2002 T.S.)

連日最高の気持ちよさが続いていましたが、さすがに梅雨入りすると晴れ間は減ります。それでも雨が降り続くことはなく、下界とは雲泥の差。常連さんは来てくれますが客足は薄く毎日テラスの整備で大工仕事に性を出しています。今年の商売はもう一つではないかという予想をしていたので、暇なことでそれほど焦っては居ない。長期の計画を考えるにはいい時期である。
少し前に湯之谷の地元の若手(といってもそれほど若くないか)と飲んだが、わたしのHPに対して地元土建屋社長が怒っていたらしい話を聞いた。とくにその業者を名指しした記事はなかったのにである。つまり私のスタンスが気に入らないのであろう。物事を公にするという事はここではタブー(日本中どこでもそうだ)なのだ。若いひともそこに住んでいるかぎり、いやがらせや仕返しがいやだから、そういう連中に従わざるを得ない。
私と飲んでいるところは誰かに見られているから、見た人間は私と一緒にいたことを皆に話す。したがって私と一緒にいた人はそれを咎められて私と会いたくなくなる、という小学生のいじめ以下の世界なのです。実際、その後メールの返事は来ていない。
先日、消防署の検査があったが昨年から担当がかわり、妙に細かいところやこれまで問題の無かったことをつついてくる。なぜかなと思っていたが、今日、知人から、その人はUTN部落の人だよと言われたのだが関係はあるのだろうか。昨年ヒュッテのHPで問題にした宿の人と同じ部落の人で結束が硬いことで有名だということ。まあ仕事熱心だということでしょうか。
田舎ってこんなもの。田舎暮らしが都会人の間で流行だが、このあたりをちゃんと考えて下さいね。鈴木宗男は捕まるらしいが、同じ連中が田舎にはごまんといますよ。上記の話を今日のお客さんにしたら「こんなに自然のきれいなところなのなのにね」とがっかりされていました。でも町場はともかく、ヒュッテ近くに昔から住んでいる人たちは皆まじめで優しい。ここにはずっと金なんて無い世界が続いていたのだ。自然が厳しく生きるか死ぬかの世界ではいじめはなかったのかも知れない。文明のあるところ汚職といじめは付き物なのであろう。でもそれを少なくするシステムを考えるのが次世代をになう人たちの責務と考える。(17/Jun/2002 T.S.)

もう山にいます。毎日すばらしい天気です。緑がみごとにそよいでいます。小屋のあちこちを順番に掃除しながら、オープンテラスを作って悦に入っています。先日、大湯の雄志と飲みました。大湯はかつての繁栄はなくちょっと寂しい風情ではありますが、最近ホテルを引き継いだ若主人はがんばっていますし、心地よい宿に仕上がってきています。ストリップ小屋や射的場もあった懐かしい温泉場がまた活気を呈すことを望むとともに、私もその復興になにか加わることは出来ないかと思った次第。
ヒュッテではBS放送しか入らないのですが、なんとサッカーがまったく見られません。しょうがなくその時間は小出に降りるしかない。幸い日本戦の日には予約が入っていないので実家に降りられます。
小泉と福田の仲が悪くなっているらしいと言われたとたんの非核三原則問題。そして防衛庁のリスト問題。どちらも実はそれを改める気はもうとうないが、表向きは繕って置かなければという魂胆が見え見え。随分前に小泉は政権を放り出すと書いたが、どうも実現しそうである。(6/Jun/2002 T.S.)


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