日記、あるいは、ある断章の提示

3/3〜4/24



車の為の駐車場を探していると、あるはあるは、多くの駐車場が空いているし、戸建の中古住宅がべらぼうに安い値段で出ていたりする。自宅周辺は地下鉄も通って便利になったのにやはり不況のせいか。事務所が急激に減っている感じがするし、駐車場の需要が減ったのはそれが大きな要因だろう。オープンカーなので屋根付きがいいなと思っていたらすぐに見つかって大喜び。(24/Apr/2002 T.S.)

KAWADE夢ムック・文藝別冊で「岡崎京子」「ゴダール」とつづていている。私の山小屋には岡崎京子のマンガがほとんどある。つげ義春もあったり、バタイユやシオランもあって階段下につくった本棚に並んでいる。あんまり読むお客さんはいないようだけれど、山小屋は山小屋らしくしろという石頭の連中を排除するためのお守りであるのかも知れない。ヒゲをはやして、東京から来て山小屋をやってると言うと「よっぽど自然(もしくは魚釣り)が好きなんですね」と言う人がいる。ステレオタイプの知識は無能の証だ。今度、フランス車でおしゃれなオープンカーを買って山小屋の前に置くのだが、みなさんの反応が楽しみ。(23/Apr/2002 T.S.)

日曜までのいろいろな番組で石原新党がとりあげられ、本人も出ていた。その前に石原氏は様々な自民党実力者と会い、野中氏との会談もあったということ。つまり「小泉めくらまし」で自民党を存続させたあと、その効果がそろそろ薄れるので、次は「石原新党めつぶし」という作戦な訳だ。国民など簡単にだませるということ。マスコミの右側の連中もこぞって持ち上げていた。(22/Apr/2002 T.S.)

今年は黄砂がすごいようで、晴天のはずの日もなんだかぼやけていて青い空は見えない。でもこのところの好天から雨になったりで冷えている。体調を崩しているひとも多いようだ。
金融庁による特別検査はあいかわらずお手盛りでまったく実体をあらわしていないとTVなどでも伝えている。これは事前に予想された通りで、金融庁は柳沢氏はじめみなインポだといわれてもしょうがない。
イスラエルにパウエルがのりこんだがもちろん打つ手はないし早速自爆テロがあった。シャロンは軍人出身だが政治家としてはまったく役立たずであることをイスラエル国民はどう考えているのでしょう。米国内でもさすがにシャロンに批判的な意見も出てきている。パレスチナ側としてはこれでいいのだ。どんどん世界の世論はイスラエルに批判的になるのだから。
共産党が機密費の出納帳を発表した。もちろん中身は機密にかかわらない費用がほとんどを占めていて、とてもずさんな使われ方である。福田官房長官は本物かどうか分からないとコメントし、当時50万円餞別にもらっていた小泉首相は10年前なんて誰も覚えていないとウソぶいている。しかしこの問題をマスコミは大きく取り上げるだろうか。宗男問題以降もマスコミのやりかたは、ただ発行部数があがればいいとかワイドショー視聴率が稼げればいいとかという視点でしかとらえていない。国民のために何を伝えるべきかなど考えたこともない。ニューヨークのテロ直後に明らかになった報道のインポぶりも続いていくのか。(12/Apr/2002 T.S.)

パウエルがイスラエルに入るが何か手はあるのか。今回はブッシュの報復に習ってという論理で出来ているのだが、アメリカとイスラエルは共に最近建国された国で、先住民のいるところに国を作っている。アメリカ独立宣言で先住民に関する記述はただ一カ所「容赦のない野蛮なインディアン」というもの。イスラエルの独立宣言には先住民(パレスチナ人)の記述が無くユダヤ人の為の国家であるとしかない。いまでもイスラエル内にパレスチナ人は住んでいるのだが。デリダはアメリカ独立宣言を分析して国家の根拠矛盾を暴いている。先日の冬季オリンピックの開会式、閉会式でインディアンを含むアメリカの歴史をショーにしていたが、それを観て違和感を持った人がどれだけいるのか。デリダの批判を知っていれば、ショーが根本的な議論を回避したエクスキューズであることは容易に分かる。(デリダに関する参照:現代思想4月号)(6/Apr/2002 T.S.)

今度は田中真紀子議員の秘書給与疑惑。タイミングとしてみると新潟の参院補選が近い。先日の横浜で負けたことが大きく、新潟などで負けると政変が近いことを国民に感じさせてしまうので自民は背水の陣である。新潟では自民公認と民主などの推薦議員との争いなのだが、真紀子女史は民主が推薦する候補に近いと言われる(先日実家で聞いてきた)。ここで彼女に造反されたら間違いなく自民は負けるので、選挙におおきく影響ある真紀子女史にものを言わせないとう意味で出てきたとも考えられる。
カスピ海の石油をパイプラインで地中海へ運ぶ計画がロシアと米国が共同で進めることが報道された。以前指摘したようにアフガン経由のパイプラインを画策していた米国の思惑が実現する前に、ロシアが先手を打ったのである。米国主導でやられる前にロシアが協力することで自国の影響力を大きくするわけだ。米国にとってもアフガン経由より安くできるであろうから、これにのる。ようは金だ。
イスラエル、パレスチナは泥沼。といってもシャロンは初めから引く気はなかった。アラファトへの個人的怨念が強いことも容易に想像できる。イスラエルにとっても難しい状況になるが、イスラエルの将来像がどうこうというより、アラファトに恥をかかせたい一心なのである。そんなオッサンを首相にしたイスラエル国民は自業自得か。(4/Apr/2002 T.S.)

4月バカなのだが世の中はアホなこと言ってられるほどゆうちょうではないようですね。昨日までは仲間で山形へ行き、しぶい温泉入って旨いそば喰って命の洗濯って感じです(私には年中洗濯かって言われそうだけど)。いくら今年は桜が早いと言ってもいつもの江戸彼岸桜(たしか樹齢600年以上)の大木はおおきなつぼみのままでした。いつもの、と言うのは東京から出かけて、その桜の下で何度も宴会したり、私は野宿したりと随分懇意にしている桜なのです。
山形といえば政界では加藤元幹事長がせっぱつまった感じ。加藤派の大部分を古賀に乗っ取られたあげくのこの騒動で少ない加藤派の議員も散らばるだろうが、これも裏があるかも。加藤派の石原の息子が行革をすすめる立場で、加藤をつぶせば石原息子も無派閥状態でつらいところ。道路族の親玉である古賀が喜ぶのは目に見えているし、加藤の乱のときに「かわいそうに」と言った野中、古賀ラインのほくそみが見えるよう。
辻元問題はやはり社民党の体質に起因しているということが誰の目にも明らかになってきた。辻元女史には是非つぎの選挙ではリヤカーを引いて選挙運動をしてほしい。横浜では中田が勝った。でもサッカーの話ではないよ。無党派層が支持したと伝えているし、小泉支持率も自民党支持率も下がっている。でもあいかわらず自民に20%後半の支持があるのが不思議。未だに所場代(献金)を払えば必ずテキ屋のおじちゃんが公共事業をくれると思っているのか。
今回の選挙で中田氏は有権者の責任ということまで言及したとTVで話していたが、つまり政治が変わらないのは国民の責任であることを言いたかったという事。私も東京と地方両方に足場をもつことでそれは分かっていた。地方が金(補助金)を欲しがるのはすさんだ地方の経済のなかに住んでいて、自ら解決法も出せず、東京を恨み、そして東京並の生活を欲するという大きな矛盾のなかで利権政治屋しか窓口がない惨憺たる状況のためなのだ。まずは東京並という意味のない目標を捨てることが大事なのに、平等という間違った言葉の使い方で行政や制度が作られている。地方自治は全国平等というおバカな意識から脱却して自らの地方生活の特長を見つけてまずは極貧にたえなければならないだろう。この不況のなか、役場の職員だけ東京並の給与では変えようという意識も育ってこないのである。(1/Apr/2002 T.S.)

秘書給与問題で、今夜辻元議員は辞職を表明した。バッジをTVの前でわざわざはずしたのはちょっと臭い演出ではあった。自爆テロのほうが見ている側には面白い選択ではあったが、まずは最善の決断なのだろう。秘書給与をピンハネすることを教授したのが社民党関係者かどうかという真偽はともかく、数日の彼女のあわてぶりと苦悩がよく見えたことがTVというメディアならではのものであった。いくつかのニュース番組に突如でたり、そして最後はNHKの7時のニュースに合わせた7:30の会見というのはいい演出である。いくら自民党の陰険な連中ががんばっても出来ないことをTVっ娘はなにも考えず無意識にTVに合わせたスケジューリングが出来る。本当の事を国民に見せないようにして国民にあきらめさせてきた自民党手法がもうずたぼろで、田中真紀子女史もふくめて、演劇的手法がすでに必須の政治手腕であることを古い政治家は知らないし、じつはTVニュース制作側も分からずにやっているのだろう。
そのTVの話。今夜民放3社の夜のニュース番組に於ける辻元問題の扱いをみたが、明らかにフジTVがより辻元女史にしつこく批判的で右よりの政治評論家のコメントだけ選んで出していた。何故かと言えば昨夜辻元女史がTBSだけに出演したことにたいする報復であろうし(その前はTVアサヒに出演していた)、もともといちばん自民よりの局であるとともに、これまで他社TV局の些細な不祥事までとりあげて報道していたこすからい性格はよく出ている。確か大学の同級生がこの局に勤めているが、文句があったらメールをくれ。(26/Mar/2002 T.S.)

辻元議員問題で大揺れである。今夜TVに出演して覚悟は決めたが最後に何をすべきかという心境のようだ。周囲はだいたいいさぎよく議員辞職して次につなげるという意見であったり、違法性が高いから辞職すべきとか言っている。だいたい政治に近い大人(?)ほど散り際はきれいにとか言って、辻元女史はちょっと違うんじゃないかという見解のようである。宗男氏とちがったジタバタはそれはそれでいいと思う。政治の世界の常識に習っては意味はないし、常識的な辞職をすれば喜ぶのは誰かはわかっている。意外性、思わぬ指摘こそ素人政治家がなすべきものだ。職業政治家がいかに貧しい品性の人間であるかは国民が一番知っていて、政治家自身が知らないことである。政治評論家や政治記者なども根本的な矛盾など考えたこともなく、規則や法律、これまでの政治的慣習、しきたりに合わせてしか考えることが出来ない。辻元女史は誤りの部分は認めているし、事実を明らかににて謝罪し続けるだけでいい。あとは他の人間が決めること。ああだこうだ言う世の中の大人という人たちの胡散臭さを浮き上がらせれば成功。
そもそも法律は国民が一番信頼せず、一番ずるい人間と認識している政治家(立法府)がつくっている。法律は弱者のためには作られない。法律家は特権階級にすぎず、法律などで国民をとりしまる警察はたんに自分より弱い人間を見つけていじめたいだけかもしれない。法律が正義なのではない。あるべき社会に合わせた法律を作り修正していく物であることは、それにたずさわる職業人ほど忘れている。
辻元女史が刑務所に入ることも覚悟して、自らの罪を告発すると面白い。辻元女史が刑務所に入って、他の政治家が法律によって守られるとしたら日本の法律は悪者のために出来ていることが誰にでも明快になるからである。前科が多いことを勲章にするは極道の世界であったが、これからは前科者こそが正義を求める人種であるということになる。(25/Mar/2002 T.S.)

もう桜は満開に近く、皆花見でうきうきなのだが昨日は風が強くて大変。うちでも宴であったが屋上での開催はあきらめて室内で1輪の桜を見ながらのお酒。
国会では今度は社民党の辻元議員の秘書給与疑惑で自民党諸氏は大喜び。真偽はともかく報復合戦になっているのはパレスチナとイスラエルの状況と同じか。または、極道のなわばり争いの抗争か。野中氏、古賀氏など極道顔の連中のほうがやくざの抗争となれば強いのであろう。しかし、自民党の使いっ走りのような役割の週間新潮もなんだかみじめ。新潮社は昔から社内にいろいろな問題を抱えていたらしいが若い社員はつらいかも。
でも秘書給与に関して実際に問題があったなら、辻元女史はさらりと認めて辞職し、次回の選挙に万全を期すというのがいいと思う。秘書給与では少なくとも他に100人以上の議員がなんらかの不正は行っている筈だから、私が辞めたんだから皆辞めろということになって、100人が辞職すればすぐに総選挙となるのでは。
アフガンでは米国の今回の追加作戦はいちおう終了らしいが、あいかわらず民間人やアルカイダの家族などにもかなりの犠牲は出たようだ。前回の復興会議でカイザル氏は評価されていたようだが、実は彼は米国の大手石油会社の顧問だったらしい。カスピ海の石油をパイプラインを使ってインド洋までもってきたいのは米国の長年のもくろみ。アフガニスタン、パキスタン、そして今回親米国になった旧ソ連邦国などを通ってパイプラインは設置される。ブッシュが多大な政治資金を石油会社から得ているのはだれでも知っている。カナダのトナカイの重要な繁殖地でも一時中止になっていたパイプラインの建設がブッシュになってから再開の見通しで、トナカイの絶滅も危惧されている。(22/Mar/2002 T.S.)

昨日は宗男氏の証人喚問でTVは視聴率を稼いでいた。ミニ角栄と言われるらしいが、今日もじたばたしているし悪者としても小粒だ。角栄がアメリカの陰謀であるロッキード事件で失脚したことは周知の事実であるが(角栄の中国よりの姿勢がもとだと言われる)、数十年前の角栄的手法をだらだらと続けている自民党とその政権を支持してきた、おまぬけ国民が一番の問題。まずは自分の周囲のおまぬけな人を更正させることが重要。
小泉のおっさんは自分の尻がくすぶってきているというのに関心がないようで、身の振り方(宗男氏の)は自分で決めればと言ってシャーシャーとしている。たぶんたいした仕事もしないまま支持率がさがり、「じゃあ、もう辞〜めた」と言って政権を放り出すと思う。政治は辞めて息子といっしょにタレントでもするのでは。女房(田中女史でなく、本当の)に逃げられた、ええかっこしいの仕事の出来ない情けない男だったことに、小泉ファンのおばさん達も気が付いてくるのだと思う。(12/Mar/2002 T.S.)

連日の暖かさで、いつでも花見ができそうですね。仕事もまばらなので部屋の掃除となる。まずは自室、翌日にダイニング。同居人の部屋にはみ出していた私の荷物も引き取って一件落着。昼間、窓を開け放していると「ああ、この風だ」と心地よいため息。もう初夏の山小屋を想ってしまう。
「2チャンネル宣言」文芸春秋社・を読んでいるとハッカーの語源であるHackのことが出ていて、「Hackというのは、そもそも基本は鉈や斧やまさかりや山刀で切る、裁ち落とす、というイメージの言葉なんだ・・」とあって、これも山小屋での薪割り作業などを思い出させる。山ではあらっぽくてもあらゆるジャンルの仕事が出来るのが前提だ。またこんな格言があるという『ハッカーは、正しいことを雑にやる。スーツどもは、まちがったことを綿密にやる』。なんだか自分の事を省みて苦笑する。官僚仕事は後者にあたるのだろうが、最近では、まちがった上に綿密さまでも無くしているかも知れない。(10/Mar/2002 T.S.)

以前このページにも書いた、スーザン・ソンタグのNewYork Timesへの911の記事が載っている本を手に入れた。「この時代に想う テロへの眼差し」(スーザン・ソンタグ/NTT出版)であり、今読んでいる。
本屋へ行ったから、当然万札がとんだ。でもスクーターを走らせて気になっていた仏料理屋へ行けたし、知人から携帯にメールが入ってその内容でちょっと楽しめて、まずまずの一日。しかし、その仏料理屋のランチも中年女性が多く、百名山ブームの山とおなじ状況。暇と金をもっているのでしょうがないのだろうが、つるんだ中年おばさん連合は店にとってもけっしてイメージが良くななさそう。一人でさっそうと歩くかっこいい婆さんになって欲しいものである。
近くの銀行支店が閉鎖して、改装しているから何になるかと期待していたらコンビニになってしまって落胆している。もうコンビニは近所にいっぱいあるのに。そのビルのオーナーは少し前に別のビルを建ててなかなかテナントが入らないので、こんどは早めに手を打ったのだろうが、他にレストランでもカフェでも需要はあるのに冒険をしたくなかったのだろう。金持ちが手堅いと思えるものにしか投資しないのが昨今の不況の一因だし、多額の年金をもらったり貯金をかかえている老人たちが、遊びや金の使い方を知らずに抱え込んでいることも市場を落ち込ませている。(5/Mar/2002 T.S.)

おお、今日は雛祭りか。とは言っても田舎にいたころは1ヶ月遅れの4/3が雛祭りだった。古くて大きな雛壇の下に入って遊んだっけ。昔からのお雛様の顔は少し恐かったような気がする。東京は好天が続き沈丁花がいい香り。春だ、恋の季節だって感じだが、おっさんの私はまず減量から始めるべきか。と言いながら飲んで梯子した後に天丼を食ってしまう。でもチェーン店のは私が時々行く旨い天丼屋とはまったく別物。これを天丼と思ってしまう子供達は悲しいかも。
TVではあいかわらず「宗男」問題がじゃんじゃん出てきている。本人はまったく姿を現していないようだ。まあ、弁護士やらと対策を考えているのだろうが、早めにあきらめて新しい路線を考えたらいいのにね。失う物はもうないという気になれば色々面白い手はある。全てを明らかにして懺悔し、自民党崩壊のきっかけを作れば英雄にもなれるのだよ。(3/Mar/2002 T.S.)


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