日記、あるいは、ある断章の提示
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新大久保駅での惨事の話題が広がりを見せているが、もし、助けに入って亡くなったのが韓国人の若者だけであったら、また違った展開になっていたと考えられる。ワールドカップの表記問題が両国の関係に微妙な影をおとしそうな気配のあった時期だけに。とにかく、ただ美談とせずに、同じ事件を防ぐための対策が急がれる。JRという会社の資質も問われている。

「現代思想1月号」は「IT革命の陥穽」という特集である。ITに関する本質的な部分の記事もおおいのでお読みすることを薦める。なかにP・ヴィリリオのものもあって、昔、デザイン会社に勤めていたころに参考(仕事に直接は関係なかったけれど)にしたこともあり、懐かしい名前であるとともに先見性を今確認している。当時、多国籍(グローバル)企業による搾取の構造へと移行するという話を取り上げた気がする。また、編集後記にあるように、労働時間というものは消失し、もはや労働が時間で計られない時代に来ているということを認識している人は多いのだろうか。

友人が工芸作家をしていて、大賞をなんどか受賞したこともあって仕事も定期的に入っているらしい。彼の机などはかなり高価であるのだが需要があるということだ。たまたま高級マンションにからんだ仕事もあったらしく、マンションを見に行ったらしい。その時の様子を少し聞いたのだが、その趣味はかつてのバブルのころとあまり違っていないらしい。ネットバブルなどの方が買っているのだろが、日本の金持ちというのはいまだに成金しかいないのだろう。まあ本当の金持ちは取材などを受けないからメディアには出てこないでしょうけど。(31/Jan/2001 T.S.)

国会はKSDなどでもりあがっているし、福岡の次席検事はノーテンキだし、有明海の海苔騒動もなかなかのハイテンション。ついでに沖縄米軍のEメールでこけにされた知事は怒ってるみたいだし、日本中話題に事欠かない状態ですね。今だったら小さい事件はは忘れてもらえそうだから日頃悪さをしている人はさっと謝って済ませる手もありですね。成人式の若者の傍若無人ぶりをなげいていた大人が多かったけれど、とても若者にたいして大きい顔できる立場ではありませんね。日本の大人達のシステムと倫理は完全に破綻しているのですから。(6/feb/2001 T.S.)

またまた事件。今度はパールハーバー前で原潜の緊急浮上の事故である。冷戦が終了してもう随分たったのだから海軍の指揮も落ちているのだろう。民間人あいてのパフォーマンスくらいしか仕事がない軍隊というのはどういったものか。今日のニュースによると、ブッシュはまだ謝罪していない。森氏のゴルフについてはふれることも恥ずかしい。

福岡の次席検事は更迭されたが、妻がストーカーだった夫の裁判官はすべてを否定している。こんな奴らが日本の司法を運営してきたのだ。かつてこの日記に、戦後の最高裁は戦前からの人員をそのまま引き継いでいることへの疑問を書いた。こいつらはず〜っと特権意識をもって事にあたってきたし、いまだに自分たちだけひいきされて何が悪いのだという感じ。10年くらい前にTVで東大の学生(たしか1年生)を集めた番組があって、官僚になって天下りして金をいっぱいもらうつもりだと言っていた。その時「子供の頃、他の連中が遊んでいるのに我々は勉強していた。だから今後、得をして何が悪い」と話していた。そときの人気官庁は警察庁であった。昨今の警察の不祥事を見ると先見性があったとも言える(笑)。(13/feb/2001 T.S.)

NHKで輸入農産物の特集をしていた。アジア各国は日本を大きなマーケットとしてとらえ輸入は拡大している。日本の農家の生産性の低さは惨憺たるものである。銀行と同じく政府が何十年も保護してきた産業はまったくもってひどい状態で、これを観たとき竹槍でB26に立ち向かった戦中からなにも進歩していないと感じた。(16/feb/2001 T.S.)

先日バルチュスが亡くなった。孤高の画家の死をTVが伝えていたが、孤高でいることが難しい世紀に入っていることも示しているのだろうか。グローバリズムとは何かといえばアメリカンスタンダードの押し売りでもある訳だ。原潜の事故の際、船長は弁護士をつけて自分だけを守って謝罪はしない。日本人との意識、仕組みの違いをよく顕わしていて行方不明者の家族にとっては傷口に塩を塗られる思いであろう。グロバリゼーションは文化やメンタリティーの差異を無視して進んでいきそうであり、それをどう救っていくかが課題であろう。植民地主義のちがった形でもあるのだ。(24/feb/2001 T.S.)

今日はKSDで国会は証人喚問。外は大風吹いて「春一番」だという。政治に風は吹くのだろうか。森首相のあとは誰がいいかとアンケートするとトップには田中マキコのおばさん。有権者の意識が相変わらずでは風は吹かないか。(28/feb/2001 T.S.)

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